このチュートリアルではCentOS 6にrbenvとruby-buildプラグインを使用してRubyをインストールする方法を説明します。
パッケージのインストール
Rubyと標準添付ライブラリのコンパイルに必要なパッケージをyumでインストールします。
rootでyumコマンドを実行するか、sudoコマンド経由でyumを実行します。
sudo yum install gcc zlib-devel openssl-devel sqlite sqlite-devel mysql-devel readline-devel libffi-devel
sqlite sqlite-devel mysql-devel
のパッケージはRuby on Railsを使用することを想定してインストールしています。必要なければ省いても構いません。
rbenvのインストール
あとは一般ユーザでコマンドを実行していきます。
rbenvとruby-buildプラグインをgithubのリポジトリからgit clone
します。
git clone https://github.com/sstephenson/rbenv.git ~/.rbenv git clone https://github.com/sstephenson/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build
rbenvが利用できるようにbashの設定ファイルを編集します。
echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bash_profile echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bash_profile
ログインしなおすか.bashrc
を再度読み込んでbashの設定を反映させます。
. ~/.bashrc
rbenvが使用できるか確認しつつインストールできるRubyのバージョンを確認します。
rbenv install -l ...(略) 2.2.0-rc1 2.2.0 2.2.1 2.3.0-dev ...(略)
ここではRuby 2.2.1をインストールします。
Rubyのインストール
rbenv install
コマンドにより、Rubyのソースのダウンロード、コンパイル、インストールを順次実行します。
rbenv install 2.2.1
インストールが完了したら、利用できるバージョンを確認してみます。
rbenv versions 2.2.1
これでRuby2.2.1が利用できるようになりました。
使用するRubyバージョンの設定
rbenv global
コマンドで2.2.1を使用する設定します。
rbenv global 2.2.1
Rubyのバージョンをruby
コマンドを実行して確認してみます。
ruby -v ruby 2.2.1p85 (2015-02-26 revision 49769) [x86_64-linux]
gemコマンドの実行
Rubyでよく利用するpry
とbundler
をgem
コマンドでインストールしてみましょう。
gem install pry bundler
ここで示した方法でrbenvをインストールした場合は~/.rbenv/
以下にRubyやgemがインストールされるためgem
コマンド実行の際にはroot権限やsudoコマンドが必要ありません。
which?
ではこのruby、gemはどこにあるのでしょうか? which
コマンドで調べてみます。
which ruby ~/.rbenv/shims/ruby which gem ~/.rbenv/shims/gem
~/.rbenv/shims/
以下のrubyとgemが実行されていることが分かります。これらのファイルはbashスクリプトです。実際にrbenvの設定によって実行される実体はrbenv which
によって確認出来ます。
rbenv which ruby /home/user/.rbenv/versions/2.2.1/bin/ruby rbenv which gem /home/user/.rbenv/versions/2.2.1/bin/gem
複数のRubyのバージョンを利用できるrbenvの仕組みがなんとなく垣間見えたのではないでしょうか。
rbenv installで指定できるRubyバージョンの更新
最新のRubyがリリースされたら~/.rbenv/plugins/ruby-build/
でgit pull
することで、Rubyの新しいバージョンを試すことができます。
cd ~/.rbenv/plugins/ruby-build/ git pull rbenv install -l rbenv install 2.2.x rbenv global 2.2.x
まとめ
これでrbenvによるRuby開発環境の構築が完了しました。