仕事も一段落したし、そろそろドラクエVIIが安く買える頃かなということで、近くのお店に行って買ってきた。
長時間ゲームをしたのは2月以来かな。
ドラクエIV、IX、ゼルダ、ファイアーエムブレム、スターオーシャンをクリアした
学生のころにPS版をクリアしていたけど、あんまり内容は覚えてなかった。
このキャラはたしかいなくなるよなということを少し記憶してたくらいで後半はほとんど覚えてない。
このタイトルがでたときは確かエニックスがまだスクエアと合併する前でドラクエ初の3Dグラフィックスだったはず。
で、プレイしてる途中で思い出したのはPS版の3Dグラフィックスの動画が衝撃だったことだ。
ライバルであるスクエアのファイナルファンタジーで使用していた3DのCGはその当時でおぉと思うくらいのクオリティだった。
どうしてもFFとドラクエを比べてしまうのでドラクエVIIのCG動画が「なんじゃこりゃ。ダサい・・・」と記憶に残ってしまったわけだ。
調べてみるとどうやらそう思ったのは自分だけではなくて当時世間的にも話題になってたみたい。
ドラゴンクエスト7 何かと評判の悪いムービー集 – バレきち@3丁目
ゲームの世界観とCGの相性が悪かったんだよね。無理して取り入れなくてよかったのに…。
初めて見たときは「うわ、何これ…。」ってなったよ。中でも特にユバールの踊りは衝撃でした。
そうそうユバールの踊り(笑)
3DS版では急にハイクオリティのCGムービーになるのではなくプレイ中の3Dキャラがそのまま動くという形に変わってた。
そんな懐かしいという重いとともにゲーム業界も大変だなとおもった。
というのは、ゲームのプレーヤーに普通のクオリティだと思ってもらうためのレベルが圧倒的に高くなっているからだ。
PS版で覚えてるのはそのCGムービーくらいで、実際にプレーしているときの3Dのクオリティだとか戦闘時のアニメーションなどの効果がどうだったかということは覚えてない。
面白かったかなどうだったかなというのはゲームのシステムとかストーリーとかがメインであって、みためは当時のクオリティ的に問題なければ問題ない。
3DS版をみてみるとモンスターは3Dでぐりぐり動くしアイテムも文字表示だけではなく一つ一つグラフィックがある。
一番驚いたのはモンスターが寝たときのアニメーションがあるのに気づいたときだ。
全部のモンスターが寝るわけではないとおもうけど、これ全部のモンスターについて寝てる3Dも書いてるのかと思ったときはびびった。
ファミコンの時期には静止画ですよ。攻撃したときに色が反転かなにかする効果と効果音くらいだったわけだ。
それがここまで細部のクオリティを上げてないと普通には見えないというのはかなり大変なことだと思う。
いま行ったような細部のクオリティが現代の技術で簡単にできるんですよ、手間はかかりませんよということであれば、問題ないと思うけど、どうもそうではないかと思ってしまう。
つまり、(私からすると)本質ではないところに想像以上の手間をかけないといけないという状況になってるわけだ。
それは開発費用が増大するのも当たり前だなと思った。
かつてのファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイなんかではグラフィックと音源とデータ容量というハードウェア的な制限が大きかった。
その制限はよくなかったかというとそうではないと思う。
各クリエータの創造性がその制限の元によりそぎ落とされることで本質的なところに集中されたのではないだろうか。
確かにハードウェアの性能が上がったことでできることは増えたのだろうが、本質的でないところにも力が必要と名手しまってはいないか。
私がiPhoneのアプリが面白いなと思ったのはPCで上がった性能がiPhoneで大きく制限がかかったことだった。
あの狭い画面でどんな表示をするかどんな動きをするか、どんな機能を提供するか。
多機能であるよりも単機能で使いやすいことが求められた。
「”なんでもできる”は何もできないのと同じだ。」大学の研究室の恩師から学んだことが思い出される。
クッキーは生地を型で抜いてはじめてその形となる。
どんなクッキーでも作れます、といってベロンと広々とした生地を見せられてもお客さんは困るだろう。
どんな型を提供するのか。
どの部分を省いてどの部分に集中するのか。
そこを考えるのが一番大切なことなのではないだろうか。
自分はそういう考えをしているだろうか、なんだかふと気になった。
と、ここで記事を書き終えたつもりだったのだが・・・
なんでこんなこと考えたのかとおもったら、最近この記事をよんだからかもしれない。
Life is beautiful: 図解、イノベーションのジレンマ
さらに、同じブログでまさにこんな記事も見つけた。
Life is beautiful: 任天堂の「肩すかし」作戦とXavixPORT
今年の春にシアトルで開かれたゲーム開発者向けのカンファレンスで、中堅のゲーム開発会社が壇上でこんなことを言っていたのを思い出す。
私の会社では平均して、DSのタイトルに約40万ドル(約4000万円)、PSPのタイトルに約80万ドル(約8000万円)の開発費を費やしています。PS2向けのタイトルとなると100万ドル(一億円)を越します。開発費が高くなれば高くなるほど事業リスクは高くなり、それだけでは会社の運営は出来ません。そこで私の会社では、開発費が約20万ドル(約2000万円)ぐらいで済むGBA向けのタイトルを作り続けて確実な利益を稼ぎ出すことにより、そういった新しい機種向けの投資を可能にしています。
GBAはゲームボーイの後継機、ゲームボーイアドバンスのことだろう。
ゲーム機のスペックが上がれば上がるほど開発費が上がっていくというわかりやすい数字の具体例だ。
よっぽど好きじゃないとできない仕事だとかねてからおも思っている。
iPhoneで無料の高クオリティゲームがゴロゴロあることからもわかる。無料でもいいから自分のゲームをやってみて欲しいと情熱がある人がかなりいる分野なのだ。
ちなみに私はゲームをするのは好きだけど作ってみたいと思ったことはほとんど無い。プログラミングでもMSXを持っていたときにBASICマガジンをみながらブロック崩しを打ち込んだくらいの経験しか無い。
自分はそれほどゲームをつくることにモチベーションがないし、苛烈な分野に挑む気力もない。
ゲーム業界は数年もたたないうちにソーシャルゲームからスマホゲーム中心にかわりつつある。
ただ、ゲーム業界って大変だなと思いながらも、世界を斜め視線でみているのも本当に勉強になるものだ。